つれづれBlog道

あまり多くを求めず、ほどほどの人生。「菜根譚」

花鳥風月

先日、下の娘が妻と一緒に「トトロ」を観ていて、僕も少しの間見ていたのだが、ふと「花鳥風月」というこの言葉が頭に浮かんだ。

 

ジブリアニメと言えば当然、宮崎・高畑両監督が描き出したキャラクターやシナリオも素晴らしいのだが、この美しい自然の景色の背景画も抜きには語れません。

 

 

トトロの背景画を手がけたのは男鹿和雄さんという美術監督。1987年、トトロ製作にあたり宮崎監督にスカウトされたらしい。(wiki調べ)

とにかく田舎の風景が素晴らしくて、いつ見ても惹き込まれ、子供の頃の記憶が呼び起こされます。

 

いま自分が住んでいるこの地元も、かつてはこのような風景がどこでも広がっていたのですが、近年はすっかり開発が進んで様変わりしてしまいました。

(都会から嫁いで来た妻は、いまでも十分田舎だと言うけど・・・(笑))

 

 

そういえば、以前、解剖学者の養老孟司さんがとある講演で話していましたが、現代の日本人に対して、「最近感動したことは何か」と尋ねると、ほとんどの人が「家族・友人・恋人との出来事」といったことを話すのだそうです。

 

これって実は、今の社会って、人間関係の事が中心になってしまっていて、私たち現代人はあまり自然に対して意識してないんじゃないかと仰っていました。

昔の和歌などを見てみると多くは花鳥風月のことを中心に詠まれていますが(中には恋愛モノも少なくはないですが)現在は明らかに人間中心の歌が多いのは確かです。

 

そうした人間関係中心の社会にあまり長く依存し続けると、時に心が病んでしまったり、争いの元になってしまいがち。

 

時には、まちの喧騒を離れて雄大な自然を眺め、花鳥風月に思いを馳せ、心の健康を保つことも大切ですね。